自社製汎用フライス盤の特徴
この機械は、2011年、当社が独自開発した機械です。
開発コンセプト
技術伝承の教材とすることを目的に製作し、
機械の構造や部品の加工方法などを勉強するために単純な構造で、
通常設備で全て製作可能。
また、実際に工作機械としても使用可能。
◎四つの特徴
①教材としての技術伝承
設計
・出来るだけ加工しやすい部品とする
・組み立て作業の時、倒れ等が測定しやすいようにする
・加工、仕上げ組み立ての工程を考慮して設計する
加工
・どこに使われる部品であるかを理解し、それを考慮して加工する
・精度が必要な部分などの現物あわせの方法
・仕上げ、組み立ての工程を考慮して加工する
仕上げ・組み立て
・どこを証(しょう)に組み立てを進めていくか考える
・機械加工で歪が出る部分の修正方法
・きさげ加工とその方法
ヘッド
・ヘッドの構造と主軸のベアリング配置や予圧の関係
・主軸の潤滑方法とその特徴
②構造の特徴
1、単純な構造
◆X、Y、Z各軸
ダイレクトにハンドル駆動
◆主軸
タイミングベルトによるインバータ駆動とし、ギヤーレス(変速機不要)
◆X軸自動送り
ギヤードモーターをインバータ駆動とし、変速機不要
2、鋳物一体構造ではなく、ベッドとコラムを分離
・部品加工に大きな機械を必要としない
・ベッド、テーブル、サドル、及び各摺動面は鋳型による鋳造
③技術的な部分
◆部品取り付け部
部品の組み合わせ面にきさげ加工を施し、取り付け精度を確保
◆Z軸
重しで吊り合わせ、ねじや摺動面の負担を軽減し、その重みは、
コラムとは別の支柱で受け、コラムの振動防止や強度アップも兼ねている
◆摺動面
全ての摺動面に角型摺動面を採用することにより、
アリ溝より耐荷重性に優れ、高精度である
◆ヘッド
※ベアリングの予圧を独自で決定し、その固定も独自の方法
・(固定側)ベアリングメーカーに予圧を指定し特注。
さらに組み込み時、再度微調整し組み込み
・(自由側)熱による伸びを吸収し、タイミングベルト
による負荷も考慮
④こたわり
※材質が鋳物の部品は、鋳型による鋳造
一品物ですが、鋳物を吹いてもらい、
内部応力を除去するため、
歪取り焼鈍しています。
全形状の荒加工終了後に、
仕上げ加工してます。